目的と設計の経緯
このサイトを、こういう設計にした理由
「病み期の読み物」は、情報を増やすこと自体を目的にしたサイトではありません。しんどい時でも、自分で読める、選べる、止められる。そのために現在どんな設計判断を採用しているかを説明します。
個人的な体験談を推測して補うページではありません。ここでは、現在のサイトと設計文書で確認できる制作上の判断だけを説明します。
このサイトが埋めようとしているのは、「情報」と「日常」の間です
メンタルヘルスについて調べると、病名や治療法の説明は見つかります。一方で、「今この状態をどう言葉にするか」「何を一つだけ試すか」「試した後に何を見るか」「診察では何を話すか」のような、日常と医療の間の小さな作業は別々の場所に散らばりやすくなります。
このサイトでは、病気について知ること、短いセルフワークを使うこと、人や医療へ持っていくことを、同じものにせず行き来できるようにしています。
「役に立つ情報」だけでは足りないと考えています
内容が正しくても、読むために長い入力、会員登録、目標設定、毎日の継続を要求したら、必要な時に使えないことがあります。
そこで、読むだけで終える、何もしない、途中で止める、別の方法へ変えることを正常な使い方として残します。継続日数や完遂率を、本人が良くなっていることの代わりにはしません。
セルフケアを「自分の心を直すこと」だけにしません
困りごとの一部は、睡眠、反すう、回避など本人の内側や行動として扱えることがあります。一方で、仕事、住環境、人間関係、金銭、支援へのアクセス、安全など、外側の条件そのものが負荷になっていることもあります。
そのため、このサイトでは、外的な問題をすぐ「考え方の問題」へ変換しません。環境を変える、負担を減らす、誰かに具体的な助けを頼むことも選択肢に含めます。
同時に、外的な問題が解決したことと、抑うつなどの症状が治ったことも同一視しません。一つ動かした後に、何が変わり、何が残ったかを分けて見ます。
「原因を当てるサイト」にはしません
心の状態には、背景、きっかけ、今も続く負荷、症状を長引かせているかもしれない要因、症状の後に増えた二次的な問題が重なることがあります。
一つの出来事や一回のセルフワークから「根本原因が分かった」とは扱いません。分からないものは分からないまま残し、今扱う対象を一つ選び、変化を見て、必要なら見取り図を更新します。
医療との境界は、後から付ける注意書きにしません
このサイトは診断、処方、薬の増減、緊急対応、専門家による心理療法を置き換えません。
ただし、人や医療へつなぐことを「セルフケアに失敗した時だけ使う出口」にもしません。最初から並行して選べる経路として置いています。自分でできることと、専門家と扱うことは競争関係ではありません。
希死念慮は、毎回同じ一文へ押し込まないようにします
長く続いている状態と、最近急に強くなった変化は同じではありません。昔からあることを「安全」とは扱いませんが、言及されるたびに本人の文脈を無視して同じ緊急文だけを返す設計にもしていません。
一方で、新しく切迫した意図や具体的な準備、安全を保てないという変化がある場合は、セルフワークを最後までやることより、人の支援につながることを優先します。
AIは治療者ではなく、整理の道具として置きます
AIは、長い文章を短くする、一つずつ質問する、公開されているセルフワークや根拠を取り出す、といった作業を助けられます。
それでも、一般用途AIが診断や治療選択を正しく行うことを、このサイトが保証することはできません。そこで、公開サイト、AI向けに公開する情報、実際に動くAIの責任を分けています。
AIへ渡すために、このサイト側へ個人の健康記録を蓄積する必要もありません。
プライバシーは「何も記録されない」とは書きません
このサイトは、症状、服薬、睡眠、診察内容などを個人健康記録として保存するaccountやdatabaseを持たない設計です。
ただし、それはbrowser履歴、端末、network、hosting、外部AIにも何も残らないという意味ではありません。制御できる範囲と、別サービスの範囲を分けて説明します。
根拠があっても、そのまま機能にはしません
ある心理療法やセルフヘルプに平均的な効果の研究があっても、それだけで、このサイトや一般用途AIが同じ方法を自律的に提供してよいとは限りません。研究で使われた支援者、monitoring、follow-up、安全の仕組みが違う場合があるからです。
そのため、重要な判断では、研究で分かったこと、このサイトでの解釈、このサイトが採用する立場、実際の導線を分けます。
作らないものも、設計の一部です
- 利用開始に「良くなりたい」という意思を要求しない
- 会員登録や支払いを基本情報の手前に置かない
- streakや滞在時間を本人の福祉の代理にしない
- 外的な危険を本人のコミュニケーションや認知の問題へ戻さない
- 一つのscoreだけで自殺リスクや治療方針を決めない
- 研究上の関連を、個人の原因として断定しない
- 一般用途AIを医師や心理職の代わりとして宣伝しない
完成形を先に決めるより、矛盾を減らします
このサイトでは、読者向けの文章、セルフワーク、根拠、AI連携、privacyを変更するたびに、「この説明は誰の判断なのか」「本人の選択を奪っていないか」「外的条件を内面の問題へ変換していないか」「根拠より強く言っていないか」を確認し、共通原則へ戻します。
今後も、新しい機能を増やすこと自体ではなく、必要な人が少ない負担で使えて、分からないことを分からないまま扱え、不要なら離れられることを優先します。