専門用語・臨床概念
強迫症 Obsessive-compulsive disorder, OCD
obsession / intrusion、compulsion、neutralising、reassurance seeking、ERPを区別し、治療エビデンスと一般用途AIの実装境界を整理します。
obsessionとcompulsion
OCDでは、反復する侵入的な思考・イメージ・衝動等に対する苦痛と、それを減らす・打ち消す・危険を防ぐための反復行為やmental actが中心になります。診断は侵入思考の存在だけでは決まりません。
CBT / ERP
NICE CG31は、成人の軽い機能障害でもERPを含む低強度CBTやstructured self-helpを選択肢として位置づけています。日本でも2025年のOCD診療ガイドラインが公開されています。
2024年の12 RCT・1,416人のmeta-analysisではinternet CBTに有効性が示され、guided ICBTはactive controlに対してもpost-treatment benefitがありました。
unguided self-helpの注意
別の2024年meta-analysis(12 RCT、769人)では、unguided self-helpのcompleters-only effectは比較的良好でしたが、intention-to-treat effectは有意でなく、dropoutはcontrolより高くRR約2.08でした。完遂者だけの結果を一般化しないことが重要です。
長期・QOL
2026年の47研究・2,817人のレビューでは平均約2.5年後にも大きなwithin-group improvementが維持され、responseは治療直後約70%、follow-up約69%、recoveryは約48%と52%でした。ただし長期controlled superiorityとは別の指標です。症状改善とQOL改善も同一ではありません。
AI実装上の高リスク要因
一般用途AIは、危険が起きないという保証、道徳的責任の否定、反復検索、確実性の再確認などを繰り返すことでcompulsion / neutralisingの一部になり得ます。そのためanti-reassurance設計は必須です。
現時点ではcycle mapping、overt/covert ritualの整理、機能上のコスト、治療準備までを安全側の範囲とし、autonomous ERP、fear hierarchy、response-prevention doseの生成は行いません。