治療法を知る
再発のサインに早く気付く ― マインドフルネス認知療法(MBCT)
マインドフルネスと認知療法を組み合わせ、特にうつ病の再発予防を狙う治療です。
主な役割
マインドフルネス認知療法(MBCT)のエビデンスが特に強いのは、急性期の症状をその場で下げることより、改善・寛解後に再発を減らすことです。
早期警告サインに気付き、抑うつ的な思考へ自動的に再び巻き込まれる流れを早めに捉えることが重要になります。
この方法を使うかは本人が選ぶ
このページは「あなたにはこの治療が必要」と判定するものではありません。今の困り方と、この方法が狙うものが合っているかを理解し、試すかどうかを本人が決めるための説明です。
期待しすぎないこと
マインドフルネスをすればその場で必ず落ち着く、という治療ではありません。正式なMBCTは構造化されたプログラムで、数分の瞑想だけと同じではありません。
どの程度エビデンスがあるか
9試験・1,258人の個人参加者データ(IPD)メタ解析では、約60週以内の再発リスクが低下しました。
再発HR0.69
MBCT再発38%
対照再発49%
エビデンス評価このプロジェクトでの利用根拠は中程度
マインドフルネスが負担になる場合
マインドフルネスを「誰でも落ち着ける簡単な方法」とは扱いません。注意を内側へ向けることで苦痛、涙、反すう、動揺などが強くなる場合は、続けることを正解にせず、短くする・外界へ注意を戻す・別の方法へ切り替える・人間の支援へ戻すことを検討します。
セルフケアとして切り出せる範囲
再発予防の補助としては使えますが、正式なMBCTの代替にはしません。
このプロジェクトでは、比較的安定した時期に、早期警告サインを整理し、短い今この瞬間への注意を使い、既存の再発予防行動へつなげる範囲に限定します。
向いている可能性がある状態
- うつ病を繰り返している。
- 現在は比較的安定している。
- 悪化前にいつも似たパターンがある。
- 睡眠悪化、引きこもり、自己批判などの早期兆候がある。
何を見て効果を判断するか
- 早期警告サインに早く気付けるか。
- 自動的に抑うつ思考へ巻き込まれにくくなるか。
- 悪化時の対応計画を使えるか。
- 数か月単位で再発・再燃をどう予防できているか。
主な参考文献
- Efficacy of Mindfulness-Based Cognitive Therapy in Prevention of Depressive Relapse (2016) — 9試験・1,258人の個人データ統合解析メタ解析。
- NICE NG222: Depression in adults — relapse preventionでのMBCT位置づけ。
Repository refs: MBCT-IPD-KUYKEN-2016 / MBCT-META-MCCARTNEY-2021 / NICE-DEPRESSION-NG222