治療法を知る

現実の問題を一つずつ解く ― 問題解決療法(PST)

現実に変更可能な問題を具体化し、考え続ける状態から実行可能な一歩へ移す方法です。

何を標的にするか

「問題がある」こと自体より、問題が曖昧なまま頭の中で膨らみ、選択肢を作れず、実行へ移れない状態を扱います。

基本構造

  1. 問題を具体的に定義する。
  2. 今、自分の行動で意味のある変更が可能か確認する。
  3. 選択肢を複数出す。
  4. 実行可能なものを選ぶ。
  5. 具体的行動へ落とす。
  6. 結果を見て次の問題状態を更新する。

この方法を使うかは本人が選ぶ

このページは「あなたにはこの治療が必要」と判定するものではありません。今の困り方と、この方法が狙うものが合っているかを理解し、試すかどうかを本人が決めるための説明です。

期待しすぎないこと

変更できない制度、他人の意思、過去の出来事まで解決できる方法ではありません。問題を小さくしても本人が変えられない部分しか残らないなら、問題解決を続けること自体が負担になります。

どの程度エビデンスがあるか

2018年の更新メタ解析では30 RCT・3,530人が含まれ、全体では大きめの効果が示されました。ただし研究上の偏りが少ない研究だけでは効果は小さくなり、より保守的に読む必要があります。

全体g 0.79
研究上の偏りが少ないg 0.34
研究30 RCT
エビデンス評価強い

セルフケアとして切り出せる範囲

比較的高いです。WHO PM+のような負担の小さい支援にも問題解決要素が含まれ、問題定義・選択肢生成・意思決定・実行・確認という構造には直接的な各構成要素についての根拠があります。

ただしPM+そのものは訓練を受けた支援者前提であり、AIがPM+を提供するわけではありません。

向いている問題

向かない問題

変更不能な問題を「努力不足」にしない
問題解決療法は万能な責任転嫁装置ではありません。

何を見て効果を判断するか

AIが補助できる範囲

AIは、問題を具体化し、変更可能性を確認し、選択肢を整理し、一つの行動まで落とす補助をします。変更不能なら別セルフワークへ切り替えします。

主な参考文献

  1. Problem-solving therapy for adult depression: an updated meta-analysis (2018) — 効果量、risk of bias、異質性。
  2. Problem-solving therapy for depression: a meta-analysis (2009) — どのcomponentが重要かを検討。
  3. WHO Problem Management Plus (2018) — 負担の小さい支援における問題解決の実装参考。

参考文献ID: PST-META-CUIJPERS-2018 / PST-COMPONENT-META-BELL-2009 / WHO-PMPLUS-2018